オフィス環境を快適にすることで得られるメリット
快適なオフィスを構成する要素には以下のようなものがある。それぞれどのように働く人のウェルビーイングに関係するのか、また実際のオフィス設計にあたってはどのような施策があるのかを紹介する。
1. 温度・湿度
不快な温湿度は、疲労感やストレスを増大させ、集中を妨げたり生産性を低下させたりする要因となる。夏場や冬場の適切な室温維持はもちろん、季節に応じた湿度管理も重要である。
「IoTアナリティクス」は、人感・温度センサーで室内の状況をリアルタイムに計測し、空調を自動で最適化するシステムだ。このようなテクノロジーを導入する企業も近年増えている。
2. 光
光環境は人間の体内リズムや気分に影響を与え、作業効率や社員のメンタリティにも関わる。
外の自然光を適切に取り入れると開放感やリラックス効果が期待できる。自然採光が難しいオフィス環境では、時間帯や作業内容に応じて照明の色温度や明るさを調整することも目の疲労軽減や集中力向上に有効である。
センサーによって人の在不在や外光の状況を検知し照明を自動制御するシステムは、快適性と省エネルギーを両立させる施策として注目される。
3. 音
オフィス内の音環境は、集中力やコミュニケーションの質を大きく左右する。電話の着信音・話し声・OA機器の動作音などの騒音は、ストレスの原因となり作業効率を著しく低下させる可能性がある。
快適に業務を進めるためには、集中したい業務のための静かなエリア・活発な議論を行うためのエリアなど、目的に応じたゾーニングが有効だ。また吸音材の設置・サウンドマスキングシステムの導入・防音の個室ブース設置などの防音対策も効果的な施策となる。
4. 空間レイアウト
オフィスの空間レイアウトは、社員の働き方やコミュニケーションのあり方に大きく影響する。
固定席だけでなく、業務内容や気分に合わせて働く場所を選べるABW(Activity Based Working)やフリーアドレスといった柔軟なレイアウトは、自律的な働き方を促し、偶発的なコミュニケーションも生み出す。
また、集中スペース・コラボレーションスペース・リラックススペースなどを適切に配置することで、生産性と働きやすさの向上も期待できる。
5. 家具や設備
長時間使用するデスクやチェアは、社員のウェルビーイングに直接影響する。特に身体への負担を軽減する人間工学に基づいたチェアの導入は、健康維持と集中力向上に不可欠だ。また、観葉植物などを配置するオフィス緑化は、空気清浄効果や心理的なリラックス効果をもたらす。さらに、気分転換や社員同士の交流を促す休憩スペースやリフレッシュルームの設置も、精神的な快適性を高める上で重要な要素となる。
快適なオフィスを実現した成功事例
「出社したくなるオフィス」を目指して拡張移転
クラウド録画サービスを提供するセーフィーは2023年、事業成長と人員拡大に伴い、2倍以上の床面積となる拡張移転を行った。
新オフィスのコンセプトを「出社したくなるオフィス 」とし、ミーティングや商談用の会議室の充実、営業活動に寄与するショールームの拡充、公園をイメージした「Park」と呼ばれるオープンスペースでのコミュニケーション向上などの施策を展開し、移転後の社員アンケートでは「働きやすさ」において5点満点中3.8と高い評価が寄せられたという。
新しい時代の働き方から「快適さ」を導くJLLのオフィス
総合不動産サービスのJLLは2022年11月に東京本社、および12月に関西支社を統合移転し、オフィスを開設した。
オフィスの温度・CO2・有害物質といった空気の質をモニタリングできるセンサー、伝統的な日本家屋から着想し、自然光の差し込む空間で休息やコミュニケーションが取れる「縁側」やマッサージルーム、オフィスアートなどを導入。最新のテクノロジーを駆使し、サステナビリティやWellbeingに配慮したJLLのオフィスはLEED®認証「プラチナ」(東京本社)・「ゴールド」(関西支社)、WELL™認証最高ランク「プラチナ」(東京本社・関西支社)で取得している。