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レポート概要

1. 情報開示で注目される不動産の気候変動リスク


サステナビリティに関する情報開示が国内外で進んでいる。日本でも、2025年3月にSSBJ(Sustainability Standards Board of Japan:サステナビリティ基準委員会)がサステナビリティ開示基準(以下、SSBJ基準)を公表し、2027年以降段階的に国内企業に義務化されることとなっている。

2. DECC×CRREMで日本の現状を知る


CRREMではパリ協定の1.5℃目標に整合するGHG排出量、CO2排出量、エネルギー消費量の 2050年までのPathway(削減経路)を国・セクター毎に公開しており、CRREMのリスクアセスメントツールを用いて不動産毎のデータとPathwayを比較することにより、Pathwayを上回る場合に支払う経済的負担や、Pathwayからの逸脱(すなわち、GHG排出量目標を達成できないことにより不動産価値が損なわれるリスク)を回避するために必要な改修工事等の時期や程度を確認することができる。

3. 全国で対象建物の過半数がハイリスク


JLLでは、DECCにデータが公開されている44,435件の建物についてCRREM Pathwayからの逸脱年(Misalignment Year)を算出し、セクター別や建物規模別の実態を調査した。その結果、2017年度時点における国内不動産のうちオフィスの70%、ホテルの90%、百貨店等の95%で危機が差し迫っていることが判明した。また、各建物をCASBEE-不動産認証のエネルギー評価基準に基づき5段階(一次エネルギー消費原単位の大きい「レベル1」~小さい「レベル5」)に分類し逸脱年との関係を把握したところ、最高ランクの認証を取得していてもエネルギー消費削減が不十分なために気候変動リスクの高い物件があることが判明した。

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