JLL:グローバル入札強度インデックス
不動産投資家の入札動向は2025年7月に転機を迎え 、 入札意欲は2024年12月以来、初めて前月を上回る改善が見られた。 2025年10月には 、FRB(米国連邦準備制度理事会)による利下げが追い風となり、入札活動は直近のピークを記録した。
その後、2025年下半期から2026年にかけて、投資家の入札意欲は比較的安定して推移している。一方、過去のピーク時と比較して、複数の投資家が競い合うような注目案件が市場で減少したことから入札意欲は総体的に見ると、やや横ばい傾向にある。
主なポイント
「JLL:グローバル入札強度インデックス」を構成する3つのサブインデックスの1つであるビッド・アスク・スプレッド(売主の希望価格と買主の最終的な買値との価格差)は、2022年下半期から縮小傾向にある。 これは、不動産セクターや取引形態が多様化しても、売主と買主双方の価格に対する期待値が一致してきていることを示している。
一方、 縮小傾向にあるとはいえ、個別案件ごとのビッド・アスク・スプレッドは依然として変動し続けている。その一因として、安定資産への長期投資を志向するコア投資家の動きが依然として鈍い中、入札に参加する投資家の顔ぶれが多様化していることが考えられる。 また、市場で取引される案件数が大幅に増加したことを受け、1案件あたりの入札件数は微減傾向にある。
2022年下半期に金利上昇の影響が現れ始めて以降、 入札競争の度合いは不動産セクターによって大きく異なっていた。 しかし、現在ではその差は大幅に縮小しており、 主要4セクターにおける個別の入札強度インデックスは、過去3年間で最も狭い変動幅に収まっている。
市場に出回る案件数は増加しているものの、落札競争は激化しており、これが2025年における入札強度インデックス(BII)の安定を支える要因となった。そのため、再び「リスク・オン」の姿勢を強める投資家が増えている。この傾向は、極めて堅調なデット市場や、健全に推移する経済ファンダメンタルズと相まって、2026年には資本市場の流動性サイクルが活発化することが予想される。
不動産投資市場における資金流動性のさらなる加速が予想される
セクター別動向
2022年下半期に金利上昇の影響が顕在化して以降、入札の競争度合いはセクター間で大きく異なっていた。 しかし、現在はその差が大幅に縮小しつつある。 主要4セクターそれぞれの入札強度インデックスは、過去3年間で最も狭いレンジに収まっている。
居住用不動産:市場全体で料の伸びに濃淡が見られるものの、依然として最も競争の激しい入札状況が続いている。 ドライパウダー(待機資金)は過去最高水準に接近。
産業・ 物流不動産:貿易政策の不確実性は依然として懸念材料となっているが 、2025年下半期には入札数は回復に転じている。
リテール(商業施設):より多くの施設タイプで流動性が拡大している一方、市場に出る案件数が増加したことで、入札競争は総体的にやや軟化傾向にある。
オフィス:オフィス向け融資に前向きな貸手が増加したことで投資家心理が底を打ち、入札参加者が拡大するなど、入札動向は明らかに改善している。



