福岡の不動産市場で注目される3つの論点

アフターコロナを迎えて急回復する観光客、半導体の世界的大手による九州・熊本への製造工場の開設など、福岡・九州に数多くの投資家・企業を惹きつける追い風が吹いている

中小規模の国の首都・第一都市レベルの経済規模を有する福岡市。政令指定都市の中でも屈指の人口増加数・率、「アジアへのゲートウェイ都市」として国内外への優れたアクセス性、そして官民連携のもと強化される起業育成など、日本屈指の成長都市として注目が集まっている。

また、「天神ビッグバン」や「博多コネクティッド」に代表される大型再開発が進行しており、オフィスの受け皿も供給が進む。若年層を中心とした人材採用、住みやすい環境を背景に、ジャパネットホールディングスが福岡に本社機能を移転した他、マネーフォワードが福岡開発拠点を開設するなど、働く場所としての魅力も向上している。

さらに、アフターコロナを迎えて急回復する観光客、半導体の世界的大手による九州・熊本への製造工場の開設など、福岡・九州に数多くの投資家・企業を惹きつける追い風が吹いている。

高い都市競争力を誇る福岡市の魅力とは？

そうした中、JLL日本は2023年5月31日、福岡の不動産市場に関するオンラインセミナー「アジア注目都市、福岡。開発の進捗と不動産とホテルビジネスを知る」を実施。福岡の不動産市場の今後を占う3つの論点について紐解いた。

天神ビッグバン等の大型再開発における利益確定のために売却、増加するホテル開発の出口戦略などにより、今後投資機会は着実に増えていく

2021-2028年におけるオフィスの新規供給量は年平均1.5万坪。既存ストック比で20％超の新規供給量となり、大量供給に伴う需給バランスの悪化が懸念されている。しかし、JLL日本 リサーチディレクター 山口 武は「大量供給といえども過剰感を招くといった話ではない。新規供給によって更なる企業の集積などを促し、街の競争力を高めるといった効果が期待できる」と指摘する。

山口が講演するオンラインセミナーでは、福岡オフィス市場における年別・エリア別・グレード別の新規供給動向、新規供給されたオフィスビルの竣工率と成約率の調査結果をもとに今後のオフィス市場の将来予測について解説する。

2022年9月に外国人観光客の受入れ対応に関する改訂版ガイドラインが公表され、外国人観光客の来日が本格的に復活。2022年11月の福岡県における延べ宿泊者数は156万人。コロナ以前の2019年11月の宿泊者数178万人に対して9割弱まで回復しており、福岡ホテル市場に対する投資家の期待度は非常に高い状況だ。

都市競争力を向上させる1つの要素として、海外の富裕層に対応するラグジュアリーホテルの整備が挙げられていた。アフターコロナ時代を迎え、観光需要が急激な回復を見せる中、福岡では2023年6月に外資系ラグジュアリーホテル「ザ・リッツ・カールトン福岡」が開業するなど、ホテル新規開発が目立ち始めている。

オンラインセミナーでは、「ザ・リッツ・カールトン福岡」を運営するマリオット インターナショナルによる福岡・九州への出店戦略をもとに、福岡ホテル市場の現状と将来性、人手不足など、ホテル業界を取り巻く課題について紐解いていく。

日本全体で投資に適した売り物件が枯渇していると言われているが、福岡も例外ではない。JLLの調査によると2022年12月末時点での福岡圏の不動産投資額は前年比47％減の253億円となった。投資家による物件取得意欲は強いものの、投資機会が圧倒的に不足していたことが背景にある。

こうした状況は今後も続くのだろうか？答えは“否”である。JLL日本 福岡支社 支社長 兼 キャピタルマーケット事業部 福岡代表 山﨑 健二は「今後、投資機会は着実に増えていく」と力を込める。天神ビッグバン等の大型再開発における利益確定のために売却、増加するホテル開発の出口戦略などが考えられるためだ。

JLL日本が実施したオンラインセミナーでは福岡のオフィス市場とホテル市場に焦点を当てて解説する。上記3つの論点の他、半導体受注生産の世界的大手TSMCの新工場建設に代表される「シリコンアイランド復活」に向けた現状と今後の課題、福岡不動産投資市場における海外投資家の注目度など、不動産市場・ホテル運営の専門家が多角的な視点で議論する。聴講者からの質疑応答にも対応している。

詳細は下記からオンラインセミナー動画をご視聴ください。

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