日本の不動産のLEED認証取得状況
日本における2025年末時点のLEED認証取得は377件で世界18位
2025年末時点でLEED認証を取得している日本のプロジェクトは377件あり、認証取得件数でみると世界第18位となった。
レーティングシステム別で最も多いのはID+C(インテリア設計と建築)の162件で、次いでBD+C(建物設計と建設)が139件を占める。
ID+Cで現在主流なのはv4(2012年から運用開始されているバージョン)で、日本のプロジェクトは102件、うちRetail(店舗)が62件、CI(業務テナント内装)が40件である。
BD+Cの主流もv4で、日本のプロジェクトは73件あり、うちNC(新築)が22件、WDC(倉庫と配送センター)が20件、CS(コア&シェル)が16件、住宅その他が15件となっている。
そこで、ID+C: Retail, v4およびBD+C: NC, v4を取得したプロジェクトについて、スコアが公表されている範囲でLEED取得件数上位国と日本の平均スコアを比較してみた。ここから日本の不動産の環境性能面における強みや弱みが見えてくる。
出所:USGBC公開データをもとにJLL作成
ID+C: Retail, v4における日本のプロジェクトの平均スコア
まず、建物内の一部に入居する店舗の内装スペースを対象とするID+C: Retail, v4について日本のプロジェクトの平均スコアをみると、「立地と交通」や「革新性」が比較的高く、「水の効率的利用」「材料と資源」「室内環境品質」が低い。
「材料と資源」では、「建設および解体廃棄物の管理」のスコアは高いが、「内装材のライフサイクル環境負荷低減」と「建材の情報開示と最適化-材料の成分」が低い。
「室内環境品質」では、「建設時の室内空気質管理計画」「温熱快適性」「室内照明」のスコアは高いが、「低放射材料」「昼光利用」「質の高い眺望」が低い。
出所:USGBC公開データをもとにJLL作成
出所:USGBC公開データをもとにJLL作成
出所:USGBC公開データをもとにJLL作成
BD+C: New Construction v4における日本のプロジェクトの平均スコア
同様に、新築建物を対象とするBD+C: New Construction v4 について日本のプロジェクトの平均スコアをみると、「立地と交通」や「革新性」は比較的高く、「材料と資源」や「室内環境品質」が低い。
「材料と資源」では、「建設および解体廃棄物の管理」のスコアは高いが、「建材の情報開示と最適化-材料の成分」が低い。
「室内環境品質」では、「建設時の室内空気質管理計画」や「温熱快適性」のスコアは高いが、「室内空気室計画の強化」「低放射材料」「昼光利用」「音響性能」などが低い。
出所:USGBC公開データをもとにJLL作成
出所:USGBC公開データをもとにJLL作成
出所:USGBC公開データをもとにJLL作成
「材料と資源」「室内環境品質」の平均スコアが総じて低い傾向にある
今回紹介した2種類以外のレーティングシステムにおいても、日本のプロジェクトは「材料と資源」や「室内環境品質」の平均スコアが低い傾向にある。
また、物流施設を対象とするBD+C: WDC, v4(スコアが公表されているのは16件)においては、「立地と交通」や「持続可能な敷地」のスコアが低いといった特徴も見られる。
「立地と交通」では特に「十分な交通機関へのアクセス」が低く、物流施設に通勤する人たちの不便さを反映している。
「持続可能な敷地」では「敷地開発 – 生息地の保護や復元」「オープンスペース」「雨水管理」「ヒートアイランド現象の低減」「光害の低減」などほとんどの項目で低スコアとなっている。
今後は、日本の強い分野を伸ばす一方で、弱い分野を改善してゆく取り組みが必要だ。