空室率が0%台に突入した東京Aグレードオフィス市場。2028-2029年に予定されていた空前絶後の新規大量供給が建築費高騰などを背景に霧散し、テナント企業の床獲得競争に拍車をかけている。2028年に竣工を予定する大型再開発案件にオフィス需要が波及するなか、テナント企業が今後取るべきオフィス戦略について分析した。
本稿は、2025年第3四半期末時点の東京オフィス賃貸市場において空室率が劇的に低下している要因について解説しています。JLL日本ではオフィスのみならず、物流施設や商業施設(リテール)、不動産投資市場、環境不動産など、多種多様な定期レポートを発表しています。ご興味のある方は下記をご覧ください。
空室率が0%台へ
東京オフィス賃貸市場の空室率低下が著しい。JLLが調査対象にしている東京都心5区のAグレードオフィス※の2025年第3四半期(9月)末時点の空室率は0.9%を記録。空室率0%台はコロナ前の2019年(0.6%)、“不動産ミニバブル”と言われた2006年(0.6%)以来である。
2025第2四半期末時点の空室率は2.5%だったが、第2四半期から1四半期(3カ月)で空室率0%台へ…まさに「空室枯渇時代」が到来した形だ。