九州大学の移転
九州の雄である九州大学は、福岡市東区箱崎地区から福岡市西区元岡桑原地区の市街化区域へと移転した。
移転プロジェクトは1991年に決定され、2018年にようやく完了した。当時、敷地面積は旧帝国大学の中で一番広い275haを目指していた。そのために福岡市内だけでは十分な面積を確保できず、隣接する志摩町、前原町(両町とも現在は糸島市)を一部取り込む形となった。
もともと丘陵地帯だったことに加え、埋蔵文化財が数多く出土したことから実際の有効面積はそれほど多くないが、それでも九州大学が日本一の面積を誇るキャンパスを持っていることは案外知られていない。
2021年度の国公立大学の敷地面積(校舎・講堂・体育施設)では九州大学が1位に 出所:大学改革支援・学位授与機構「大学基本情報」をもとにJLL作成
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九州大学伊都キャンパス(2018年9月撮影) 画像提供:福岡市
九州大学の敷地の一部は糸島市にまたがって所在しているが、実はこの糸島市、ただの地方都市ではない。人口10万人足らずながら、イギリスの情報誌「MONOCLE」が実施した「輝く小さな街(Bright lights, small city)」の2021年ランキングで世界第3位 に選ばれたほどの小粋な地方都市なのだ。美しい海と山に囲まれた自然豊かなエリアにオシャレなカフェや蠣小屋などのおいしいグルメが集まる福岡きっての人気観光地、それが糸島市である。