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ESG投資が注目される理由

先行きが不透明な現代社会において、投資対象となる企業の将来的な価値を見極める調査(デューデリジェンス)だけでは、組織・財務・法的なリスクは把握できても、企業の社会的責任や環境問題への対策は投資に反映されにくいという面がある。

企業が今後社会や消費者から支持され長期的に安定して発展していくかどうかを評価する手法の1つとして、ESGに注目が集まっている。

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ESG投資とSDGsの関係とは?

SDGs(Sustainable Development Goals)=「持続可能な開発目標」は2015年9月の国連サミットで採択された国際目標で、17のゴールと169のターゲットから構成される。国や地方公共団体のみならず民間企業による取り組みが求められている。​

​​SDGsは企業目標にサステナビリティをリンクさせることにより設定された「ゴール」だが、ESGはそのサステナビリティを重視した具体的企業活動を行うこと、つまり「手段」だと捉えられる。​

​​したがってESGに注力することにより、結果的にSDGsの目標達成につながり、最終的に持続可能な社会を実現するという関係性といえる。​

投資先の選定に必要な情報が限られている

ESG投資では、一般的な投資でみる財務情報等に加え、ESG要素の分析・評価もする必要がある。数多くの資料を探し、情報を集めて分析するなど準備や作業に多くの手間がかかる可能性もある。

ESG投資はおもに次の7つの種類に分類される。それぞれの内容を確認してみよう。

国際規範に基づくスクリーニング

国際規範スクリーニングは、国際的な機関や団体の示す、環境破壊や人権侵害などの指針に反した企業を投資対象から除外していく手法である。具体的な参照ルールには「国連グローバルコンパクト(UNGC)」10原則や「OECD多国籍企業行動指針」「国際労働機関(ILO)規範」などがある。

UNGCは2000年に提唱された規範で世界160カ国・1万3,000を超える団体が署名(2015年)しており、企業活動における児童労働や差別、環境破壊、贈収賄などを禁じている。

国際労働機関(ILO)が定める基準には「条約」と「勧告」の2つがある。条約は国際労働基準にもとづき労働時間やハラスメントなどについての190以上の条約で構成されていて、批准国は実施する義務を有する。勧告には法的な拘束力はないが、200以上の努力義務が設けられている。

ポジティブ・スクリーニング

ポジティブ・スクリーニングは、環境保護や人権・従業員への配慮、ガバメント(企業統治)などに積極的に取り組む企業を選んで投資する手法で、1990年代に欧州から広がった。

ポジティブ・スクリーニングには労働環境や多様性への対応など複雑な評価項目が存在するが、それらを開示していない企業も多く、多様な項目の情報分析が必要になるため、大手の機関投資家などを中心に行われている。

投資の種類 概要
ESGインテグレーション ESG投資の観点と従来の判断基準である財務状況を統合した手法
コーポレートエンゲージメントと議決権行使 株主総会での議決権行使をはじめ、投資先企業と建設的な目的を持った対話を行う手法
国際規範に基づくスクリーニング UNGCやLOなど国際機関の示す規範に沿わない企業を投資先から除外(スクリーニング)する手法
ネガティブ・スクリーニング 社会的責任や環境の基準を満たさず、反社会的または非倫理的(ネガティブ)な事業を行う企業を投資対象から外す手法
ポジティブ・スクリーニング 環境保護や人権・従業員への配慮、ガバメント(企業統治)などに積極的に取り組む企業を選んで投資する手法
サステナビリティ・テーマ型投資 再生可能エネルギーや持続可能な農業などを展開する企業に対して投資を行う手法
インパクト・コミュニティ投資 社会的な課題の改善・解決を目的とする事業を行う企業や業界に投資し、その結果(社会へのインパクト)を評価する投資手法

ESG投資の始め方

投資家や企業がESG投資を行う方法には株式・債券・投資信託の3種類がある。

  • 株式投資:ESG経営を行っている企業を個別に調査し、株式を購入する。知識や調査プロセスが必要となるが、より詳細に投資先の情報を入手することで明確な意図を持って投資することができる。

  • 債券投資:ESGに関する債券を購入する。債券で調達した資金の用途は限定されており、企業は債券購入者へ活動報告の義務があるため、投資先の活動を把握しやすくなる。

  • 投資信託:ESGに対する取り組みを重視しているファンドを選んで投資信託を行う。投資のプロフェッショナルであるファンドに投資を任せることになるため、調査などのコストを削減してより効果的な投資が可能であり、分散投資でリスク低減効果も期待できる。

まずは上記のいずれかを選択、あるいは組み合わせを決定することから投資をスタートさせよう。
 

設備投資の一例としては、不動産テックの代表的なツールであるIoTセンサーを活用した空調の自動制御や照明を調光機能付きのLEDに変更することで大幅な省エネを実現。投資費用は7,000万円を超えたものの、回収期間はLED化で3.4年、空調自動制御システムではわずか2年に収まった。

こういった環境に配慮した商業施設の不動産価値は今後ますます高まっていくと予想される。

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ESG投資を考える企業へ、JLLが提供できること

不動産投資の中でも、今後メインストリームになっていく可能性の高いESG投資。

不動産領域でのESG投資を始めるにあたっては、不動産に対する知識はもちろん、グローバルな市場知識や投資家の動向、デューデリジェンスのプロセス、将来的なライフサイクルへの見通し、過去のデータなど幅広い専門的な知見が欠かせない。

自社にそれらのスキルを持つ人材が揃っていない場合は、経験豊富で信頼できるパートナーを持つことが成功の鍵を握る。

JLLでは、不動産投資・運用を考える企業に向け、オフィス・物流施設・商業施設(リテール)から事業用地にいたる不動産投資や資産価値の最大化、不動産鑑定評価など、投資の成功をサポートするために各分野に精通したスペシャリストが戦略やニーズに合わせた対応と提案を行っている。

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日本ではESG投資が遅れているって本当?

世界では2006年、国連が機関投資家に責任投資原則(PRI)を提唱したことからESG投資が広まり始めたが、日本で注目されるまでには時間がかかっていた。

ESG投資を成功させる秘訣は?

専門的な知識を持ち、投資対象についての情報を十分に検討して投資先を決定することが必要だが、自社で難しい場合は信頼できる外部エキスパートの力を借りるのが成功の秘訣である。