沸騰する物流不動産市場
昨年来の新型コロナウイルス感染拡大局面において物流施設が安定した投資先として注目を集めたことは記憶に新しい。折からの電子商取引(Eコマース)の飛躍的な増加にともない倉庫床への需要は高まるばかりであり、投資家が物流施設に投資するという動機づけのひとつにもなっているといえよう.
一方で参入する国内外の投資家が一気に増加したことで、好立地かつ長期の賃貸借契約を締結しているテナントを持つ物流施設においては価格が高騰、東京湾沿岸や神奈川県内陸部など、いわゆる首都圏の物流適地に所在する物流施設では投資利回りが4%を超えるものはもはや存在せず、むしろ3%台前半へと突入しそうな勢いである。こうした中、投資家の熱い視線を集めているのが「冷凍・冷蔵倉庫」である。
投資家が注目する冷凍・冷蔵倉庫とは?
冷凍・冷蔵倉庫はその名の通り低温度帯を用いての管理が可能な倉庫のことを指し、主に冷凍食品や生鮮食品などの貯蔵に利用されてきている。日本においては冷凍食品の貯蔵が全体の3割を占め、その他農産品、魚介などが後に続く。全容については詳細な調査がないため不明確のところもあるが、首都圏(一都三県)だけで220を超える冷凍・冷蔵倉庫が確認されている。