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BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは?

BPOは企画・設計からリソースの確保、遂行、分析改善までを一括して委託するもので、より専門性が高いのが特徴である

BPOの定義

BPOは英語の「Business Process Outsourcing」の頭文字をとったもので、自社で行う業務のうち 総務や人事・経理などのコーポレート部門や、自社に現在ノウハウがなくすぐに実施できない業務について、外部の専門事業者に委託することをいう。

BPOとアウトソーシングとの違い

業務を外部サービスに委託するという意味で、BPOとよく似た場面で用いられる手法に「アウトソーシング」がある。

BPO業務を通じて企業をサポートしている女子社員の様子

しかし、アウトソーシングは一連の業務のうち人手不足となっている単一(あるいは複数)の定型作業を切り出して外部に委託することが多いのに対し、BPOは企画・設計からリソースの確保、遂行、分析改善までを一括して委託<するもので、より専門性が高いのが特徴である。

BPOとBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)の違い

経営者層や総務や人事部門の担当者は、「BPR(Business Process Reengineering/ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)」という言葉も聞いたことがあるかもしれない。

BPOが業務の一部を外部企業に委託することによる効率化を目指すのに対し、BPRは自社内で業務プロセスを根本的に見直し、効率化や改善を図るアプローチだ。

BPOと比較して継続的に社内人材のスキル向上が見込める半面、時間や費用のコストが増加し運用が可能になるまでに時間を要することがある。

BPOが注目される背景・市場規模

国内のBPOサービス事業者は1990年代頃から存在してはいたが、近年ますます需要が高まっており、市場規模の拡大が報告されている。

その背景には少子高齢化による深刻な働き手の人材不足があり、企業のリソースが逼迫する中で営業や開発などのコア業務に従業員を集中させたいというニーズから、BPOが選ばれている。

また国の推進する働き方改革により、長時間労働の改善に取り組む企業も増えている。同じく特定労働者派遣事業者制度廃止(2018年)、同一労働同一賃金制度(2020年)など人材派遣に関する法改正の影響で、人件費をはじめとするコスト構造を見直す必要に迫られる企業も増えた。

さらにデータ管理や顧客コミュニケーションの自動化・業務のクラウド化など、DXを背景にBPOでプロセスをデジタル化する流れが加速している。

BPOサービスを導入するメリット

自社にスキルがない場合でも高いグレードの業務遂行能力が期待できる

BPOサービスを導入するデメリット

一方、BPOサービスの導入時には以下のようなデメリットも想定される。

業務内容を把握しきれない可能性がある

委託後、自社の担当者が現場にいないことで、実際に行われている業務の範囲や運用について正確に把握できないリスクが存在する。導入時に契約内容を詳細に書面で残しておくことはもちろん、定期的なレポートやミーティングで報告を受け課題や改善点、成果などを共有しておくことが欠かせない。

社内独自のノウハウが育たない・蓄積されない

自社にノウハウのない部門で専門性の高い業務のプロセス全体のBPOサービスを利用すると、ノウハウが社内に蓄積されない状態が続いていくというデメリットがある。サービス利用と並行して、社内にも精通した人材を確保しておきたい。

情報漏洩等のセキュリティリスクがある

BPOサービスの性質から、事業者は顧客や社内の個人情報・財務情報など重要な情報を知りうる機会がある。万が一これらの重要情報が流出してしまった場合、仮にBPO事業者のミスであったとしても発注元企業の社会的責任が問われるおそれがあるため、セキュリティ体制のしっかりした事業者を選定するのはマストとなる。

BPOサービスの効果を高める事業者選びのポイントとは?

数多いBPO事業者から自社に最適な依頼先を選定するにあたっては、以下のような点を比較検討すると良い。

実績があるか

過去~現在の実績を参照することで、自社が抱えている課題に対し、同等の成果が得られるのかどうかを判断できる。

セキュリティ対策は万全か

自社のデータやノウハウを共有するBPO事業者には高度なセキュリティ意識が求められる。個人情報の取り扱い方針やプライバシーマーク取得の有無などを確認しよう。

対応可能範囲は十分か

現在検討している業務はもちろん、将来的にBPOサービス導入を予定している業務・部門にも対応可能な事業者であれば、再度選び直す必要がなく時間的コストの削減にもなる。

オフィス戦略とBPOサービス

BPOサービスの活用は、戦略的なオフィス構築とも深く関わっている。

働き方改革とワークプレイス戦略

現在、各企業が働き方改革に取り組むなかで、ワークプレイス戦略を担う総務の重要性が高まっている。コロナ禍以降、より柔軟な働き方への認知やニーズが一般に広まり、今まで以上に従業員のウェルビーイング向上が重視されるようになった。

オフィススペース最適化によるコスト削減やテクノロジーの導入活用など、働き方改革を見据えて企業戦略をアップデートできるような専門性と実績を持つBPO事業者にワークプレイス改善のプロセスを委託するという方法もある。

オフィスコンセプトとオフィスデザイン

現在世界的な流れとなっているウェルネスオフィスのコンセプトに基づき、WELL認証CASBEE認証など働くヒトの健康状態を軸にした評価基準に準拠したオフィスデザインを構築・展開するため、高い専門知識やノウハウを有するBPO事業者に委託する企業も存在する。

ワークプレイス戦略とは?

 

総務BPOの導入事例

戦略的な総務のBPOサービス導入事例としては以下のようなものが挙げられる。

BPOサービスで企業戦略の強化を図る

BPOサービスの歴史は長いが、近年ではバックオフィスを中心としたプロセスの外部委託によるコスト削減という目的から企業戦略の重要な要素へと変貌し、BPO事業者は外注先からビジネスパートナーとしての位置付けに変化しつつある。

従業員のリソースを主力業務に集中させられるBPOサービスについて正しく理解し、自社に最適な外部委託プロセスを見極めた上で効果的に活用し、より戦略的な企業経営へと強化を図ってほしい。

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