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コロナ禍で在宅勤務を強いられた従業員が心理的な癒しを求めてペットを飼育するケースが世界的なトレンドになったそうですが、欧米企業はオフィス回帰を推進するために「ペット同伴出勤」や「ペット飼育可能なオフィスづくり」を進めるようになりました。

猫と一緒にオフィスで働くIT企業「みんなのマーケット」

「私が入社するずいぶん前から在籍する“大先輩”。なので『さん』づけで呼ばないといけないですね」

こう語るのは、生活関連のサービスに特化したプラットフォーム「くらしのマーケット」を開発・運営しているIT企業、みんなのマーケット株式会社 コーポレート本部に所属する中野さんです。

2011年にサービスを開始した「くらしのマーケット」はリフォームや引っ越し、庭木の剪定、出張カメラマンなど、生活に関わる多種多様なサービスを提供する“インターネット商店街”。オンラインで予約することが可能で、口コミや料金で比較しやすく、その利便性の高さから2021年12月時点で累計作業数200万件を突破。2024年1月には登録出店者数90,000店超、サービスの種類は400以上に拡充しています。

みんなのマーケットのオフィスで暮らす猫

そんな人気プラットフォームを運営するIT企業の創業期を知るメンバーとなると、どんな大物かと思いきや、その正体は2匹の猫なのでした。

そう、みんなのマーケットはオフィスで猫を飼育している企業として愛猫家の間では知られた存在なのです。

猫の名前は、IT企業らしくプログラミング言語を由来とする「シー(メス)」と「ジャンゴ(オス)」。共に2013年生まれの10歳になります。

中野さんによると、2匹がオフィスにやってきたのは2013年12月に遡るとのこと。同社のCTO(最高技術責任者)の秋田県にある実家近くで6匹の子猫が保護されたことを知り、そのうちの2匹をオフィスで引き取ったといいます(1匹は同社のCEO(代表取締役)の実家へ、他3匹は地元で引き取り手がみつかりました!)。

オフィスが住処

みんなのマーケットのオフィス
オフィスの一角にトレーニング設備を導入

コロナ禍を受けて、それまで東京都品川区に構えていたオフィスを解約し、フルリモートに切り替え、2匹の猫は同社CEOの実家に身を寄せていました。その後、コロナが収束に向かったことでオフィスを再開することに。オフィス出社とリモートワークを組み合わせたハイブリッドワーク制度を採用するなか、出社人数に見合ったオフィスを構築することになりました。

現在のオフィスは東京・渋谷の賃貸オフィスビル「渋谷プレイス」10階に位置しており、2021年1月から稼働しています。

スタッフのコミュニケーションを阻害しないようにワンフロアに集約し、執務席は固定席(一部フリーアドレス)としています。オフィス内を一望できるように背の高い什器などはありません。また、福利厚生の一環で、オフィスの一角にダンベルなどでトレーニングができるスペースを設けており、昼休みなどでは筋トレに励むスタッフも少なくないそうです。

2匹の猫はスタッフが家へ連れてかえることはなく、オフィスが住処。その過ごし方について、中野さんは「まさに猫まかせ。本当に自由気ままです」と微笑みます。

オフィス内を悠々自適に闊歩しているかと思えば、突然デスクの上に飛び乗りPC画面をのぞき込んでスタッフに“圧”をかけてきたり、ミーティングから戻ってくると座席を占拠されていることも日常茶飯事だとか。猫たちは自由に席を選択できるフリーアドレスのメリットを最大限享受しているようです。

猫がオフィスにいることで様々なメリットがある

フリーアドレス席に鎮座する猫
魚のオブジェが目をひく猫専用の“テント
魚のオブジェが目をひく猫専用の“テント
  • 社内コミュニケーションが活性化

  • 猫と接することで、スタッフの精神的な癒しになっている

  • 来客時に猫が話題となり、アイスブレイクになる

  • 「猫と一緒に働くことができる会社」として採用活動に寄与

  • メディアの取材が増え、PR活動に貢献

  • マスコットキャラクターとして動画配信しブランディングに繋がる
     

実は、中野さん自身も猫と一緒に働きたいと考え、3年前にみんなのマーケットに就職したのだといいます。こういった“猫好き”スタッフも少なくありません。

猫と一緒に働くことができるオフィスは希少

魚のオブジェが目をひく猫専用の“テント