CRE戦略コンサルティング業務
敷地面積6,000㎡
BTS物流倉庫
プロジェクトの概要
テルウェル東日本(NTTグループ)は不動産価値の最大化や地域活性化などを目的に保有不動産の利活用を推進している。JLL日本 ストラテジックコンサルティング事業部(以下、JLL)は2011年から同グループが保有する不動産の有効活用施策を継続的に支援するなか、本プロジェクトでは神奈川県平塚市に位置する社宅跡地の有効活用施策の検証・提案を含むCREコンサルティング業務を受託した。
クライアントの不動産戦略方針を踏まえ、資産価値の最大化に向け商業施設、スポーツジムなど多岐にわたる活用ニーズを検証。最終的に配送センターとしてBTS※物流倉庫を活用する生活協同組合ユーコープの誘致を支援した。
JLLのアプローチ
JLLは「接道条件」と「交通規制」という2つの課題を解消すべく、監督官庁との交渉を行った。
接道条件:平塚市と協議
JLLが調査したところ、前面道路の幅員は6m未満だったが、道路沿いに暗渠(地下水路)が存在し、合算すれば幅員9mを超えることが判明。JLLは暗渠の所有者である平塚市と協議し、事業者(クライアント)にて暗渠上部を道路として整備することを提案。暗渠内部の図面作成を行い、開発条件を満たす工事手法の検討を重ねた。
交通規制:警察署と協議
時間帯指定の一方通行標識は、もともと社宅として多くの居住者が存在していたことに起因するが、すでに社宅は存在しないため、標識の存在意義が疑問視された。JLLは警察署に交通規制の緩和を協議し、地域住民の合意形成を図るべく、近隣説明会を開催した。
JLL担当者の声
本プロジェクトを担当したJLL日本 ストラテジックコンサルティング事業部 ディレクター 高橋 浩二は次のように述べています。
「本件における社宅跡地の有効活用施策は長年に渡り検討がなされ、最終的にBTS物流倉庫を新規開発し、生活協同組合ユーコープ様の配送センターを誘致することができました。行政・警察・地域住民といった様々なステークホルダーとの交渉を重ね、長期間遊休地化していた用地の収益最大化に成功したCRE戦略コンサルティングの好事例だといえます。物流倉庫の開発は交通量が増えることから近隣住民に敬遠されることが多いのですが、道路整備によって周辺環境の改善にも寄与していることから前向きに受け入れられたことがプロジェクト成功の一因だと実感しています」