スタジオワンオアエイト - スタジオ開設事例

スマホゲーム「Fate/Grand Order」の制作に携わり、その提案力と制作力の高さから業界内で高く評価されるゲーム開発会社のスタジオワンオアエイト。ゲーム開発事業を主業としながらも、近年は産業用のシミュレーションソフトの開発を手掛けるなど、事業の幅を拡げている。

そうした中、今後の成長を期待しているのが2018年から開始したバーチャルタレントのマネジメント事業（以下、VTuber事業）だ。動画共有サイトにてチャンネル「いっちゃんねる」を開設し、定期的に動画配信を行っているが、同社代表取締役 小村 一生氏は「当社が掲げるビジョン『熱狂するコンテンツづくり』を体現する有望株」との認識を示す。そして、同事業の更なる成長の基盤づくりとして、2023年1月には本格的な撮影スタジオを開設した。JLL日本 オフィス リーシング アドバイザリー事業部は撮影スタジオを開設するための物件選定とオフィス仲介業務を担当。クライアントが望む要件を満たした入居先の確保に貢献した。

• 2018年にVTuber事業を開始した際、旧本社オフィスの一角に「スタジオらしきもの」（小村氏）を設けて動画配信や撮影が行っていた。VTuberや撮影エンジニア等、わずか5坪程度のスペースに複数人が入室しなくてはならず、非常に使い勝手が悪かった。

• 撮影スタジオの新規開設と同時並行で進めていた本社オフィスの移転プロジェクトにおいて、ゲーム開発や撮影に使用する大量の機材を保管するための倉庫スペースを確保することが難しく、撮影スタジオに併設する形で倉庫とオフィス機能を確保する必要があった。

• 一般のオフィスビルに撮影スタジオを開設するため、オーナーが撮影時の音漏れを気にしていた。
   

十分な床面積を確保するため、スタジオの立地は郊外エリアも視野に入れて物件選定を行っていたが、慣れ親しんだ旧オフィスと移転後の新本社オフィスとの距離を重視し、都心3区内で希望する床面積・賃料水準に合致した移転候補2物件を選定。一方、ビルオーナーは撮影時の音漏れについて懸念していたため、JLL日本の担当者は、内覧したフロアの上層階が空室であったため、オーナー立ち合いの元、実際にVTuberに収録時に相当する発声をしてもらい、音漏れの懸念がないことを納得してもらった。

立地のよさ、さらに大量の機材を保管するための倉庫スペース、オフィススペースを併設できる十分な床面積・賃料水準といった、クライアントが想定していた複数の要件を満たした移転先を確保することに成功した。

移転先のオフィスを探す

2023年からVTuber事業の更なる成長に向けて投資を拡大していこうと考えており、その一環として撮影スタジオを開設しました

スタジオワンオアエイト 代表取締役 小村 一生氏は次のように述べている。

「当社のミッションとして『熱狂されるコンテンツをつくる』というゴールがあります。その熱があるからこそVTuber事業を続けてきました。かつてゲーム業界ではハード戦争が勃発しており、ネット上で関係者による論戦が繰り広げられるなど、今でいう「押し活」のようなものすごい“熱量”を持っていました。当時を彷彿させる熱い情熱がVTuber事業にあり、まさに当社のミッションに最も合致したコンテンツといえるでしょう。もともとは従業員からの発案によるVTuber事業の“熱”を途絶えさせるべきではないと考え、事業をスタートさせました。そして、2023年からVTuber事業の更なる成長に向けて投資を拡大していこうと考えており、その一環として撮影スタジオを開設しました。

以前のスタジオは執務スペースと薄い間仕切り1枚で仕切られていたので、どういった配信をしているのか聞こえてきましたし、扉を閉める音や機材を操作する音が入ることもありました。また、ライブ配信だと機材トラブルが起こっても直接やり取りすることができないので、チャットを通じて対処せざるを得なかったのです。そうしたハプニングはライブ配信の醍醐味なのですが、今回スタジオが独立したことでライブ配信のオペレーションは相当にやりやすくなったと実感しています」

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