オフィス投資が伸張した3つの理由
2024年にオフィス投資額が大きく伸びた理由は以下の3点に集約される。
1. 大型のオフィスディールが増加したこと
2. 外資系投資家が再びオフィス投資に舵を切り始めたこと
3. 賃料上昇トレンドにあってアップサイドが取れること
個別に理由をさぐっていきたい。
1. 大型のオフィスディールが増加
1年を通していわゆる「三桁億」のオフィス取引が継続的にみられたのが2024年だ。サイズ的に最も大きい取引が「青山ビルヂング」で、およそ900億円と報じられている。1970年代初頭に建築されたビルながら立地のよさが評価された結果であろう。これ以外にも区分所有ながら「Otemachi One」が取引されるなど、東京都心部のAグレードオフィスの取引が目立ったのも2024年の特徴といえよう。
オフィスの取引は東京都心部だけにとどまらず、国内主要マーケットへと波及している。大阪では「本町ガーデンシティ」がホテル区画と同時に取引され、オフィス区画のみで400億円を超えている。また、名古屋ではささしまライブ地区にある大型オフィス「グローバルゲート」が三桁億円の取引となっており、東京以外でもオフィス投資は盛り上がりをみせている。
加えて、首都圏周辺部での取引も見られたのが2024年の特徴だ。幕張の「ワールドビジネスガーデン」が600億円前後で取引されるなど、規模の大きいビルの取引が際立っている。
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2025年のオフィス投資市場は昨年超えが予測される
オフィス投資においては2025年2月に取引が公表された「東京ガーデンテラス紀尾井町」も史上最高レベルの価格を記録するなど、2024年から引き続き大型物件への投資意欲は旺盛であり、そこに賃料アップサイドが取れるBグレードオフィスへの投資が増加してくれば、2025年のオフィス投資額は昨年を上回ってくることは容易に考えられよう。
かつて「投資の花形」とされてきたオフィスの復権は目前まできているといって過言ではない。