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価値
所在地
世界最大規模の投資運用会社かつ責任ある投資のリーダーが、果敢なブラウン・トゥ・グリーン・ファンドへの挑戦がステークホルダーに及ぼす潜在的な影響を評価しようとしました。
時間が限られる中で、ネットゼロリスクと価値の可能性をどう評価しますか?
JLLのValue and Risk Advisoryチームとの強固な信頼関係を背景に、資産運用会社の経営陣はサステナビリティ投資のリターン向上、リスク最小化、欧州の選りすぐり3物件でのネットゼロカーボン目標達成に向け、JLLのESGスペシャリストに助言を求めました。
対象資産はドイツとポーランドにわたり、その業種や市場は大きく異なります。オフィスやホテルを含むこれらの資産価値に、移行リスクがどのように影響するか、各市場や業種の特徴を踏まえつつ、JLLアナリストはそれぞれの評価に独自アプローチが求められました。
JLLチームは、経営陣が信頼できる革新的できめ細やかな分析・レポートを短期間で提供する必要があり、2週間という厳しいタイムラインで結果を出すことが求められました。
価値とリスク分析がサステナビリティと財務成果の双方を促進
JLLの専任エキスパートは、各資産のエネルギー監査を徹底的にレビューし、すぐさま作業に着手しました。これにより、各拠点ごとに実施可能な具体的な脱炭素化施策、その実施コスト、およびエネルギーパフォーマンスへの影響が詳細に明らかになりました。
これらの情報を統合し、プロジェクトチームは各資産ごとに高度な価値シナリオ分析を実施。対策を講じない場合に生じうるブラウンディスカウント(価値低下)の可能性と、対策を実施した場合に見込まれるさらなる価値向上の可能性を示しました。このプロセスでは、脱炭素化施策が各資産の長期キャッシュフロー、リスクプロファイル、評価額にどのように直接的な影響を与えるかを明確にしました。
総合的に見て、脱炭素化戦略には、既存ファンド評価額の2.5%超の追加価値を生み出す可能性があることが判明し、これは数百万ユーロ規模に相当します。ファンドに組み込まれた市場が多様なため、資産単位ごとの違いも大きく、脱炭素化シナリオでは一部資産でキャピタルバリューが5%超向上するという結果も出ました。
意義あるアイデアを強力な現実へと変える
プロジェクト開始からわずか2週間後、同社のリーダーたちは資産レベルでの脱炭素化計画を経営戦略に組み込むビジネスケースを手にしました。
JLLの分析を活用し、クライアントは脱炭素化計画を実行に移し、さらにこれらの資産を新たに立ち上げたブラウン・トゥ・グリーン・ファンド「Net Zero Ambition Real Estate (NZARE) ファンド」のシード資産として活用しました。
サステナビリティとステークホルダー価値は両立する
現在、この世界的なパワーハウスは、さらなる資金調達を進めてファンドを拡大し、長期的な価値の提供と社会や環境へのポジティブな影響をもたらすという、グローバルな評価をより一層高めています。