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スポットライト

金融大手が正確かつ統合されたデータへの迅速なアクセスにより、ポートフォリオの全体像を明確に把握

規模

200万平方フィートのスペース削減;本社を50万平方フィートから25万平方フィートへ移転

価値

年間1億2,000万ドルのコスト削減

課題:ハイブリッドな働き方モデルを運用しながら流動性を創出する

あるグローバル金融サービスプロバイダーは、組織全体で得た資金を事業に再投資する流動性を生み出す取り組みの一環として、ポートフォリオ戦略を変革する必要がありました。オフィススペースの縮小は従来のコスト削減策のひとつと考えられていましたが、同社は不動産には表面上の印象以上の可能性があると感じていました。

年間のランレート、つまり継続的な総占有コストを大幅に削減するため、経営陣はまず、どの物件を保有し、どれを解放または縮小すべきかを見極める必要がありました。 目標は、できる限り多くのコスト削減効果を実現しつつ、将来の成功に向けてポートフォリオを再編成することでした。

パンデミック後、同社は岐路に立たされていました。組織は既にハイブリッドワークモデル移行を決定していましたが、世界が通常の生活に戻り始めるに伴い、それが自社のオフィスや小売スペースに何をもたらすのか、その実態は不明瞭でした。

この有力な金融企業が過度にスペースを削減しすぎれば、将来の成長段階で慌てて対応することになってしまいます。しかし、削減が不足すれば、金融面での負担が、他の銀行や投資会社との競争力を損なう要因となりかねません。

不動産が優秀な人材の採用・定着にさらに密接に関係するようになる中で、ハイブリッドワークを真に定着させるための明確な方針決定はますます困難となっていきました。多くのステークホルダーやサービスラインが同時に複数のビジネス目標に取り組んでおり、現在と将来のポートフォリオ規模に関する課題が常に議論の中心となっていました。

「利用可能なあらゆる種類のデータを活用しました」と、JLLの金融サービス部門 ワークダイナミクス担当ビジネスアナリティクスコンサルティング責任者のCharles Fegelyは述べています。「必要なデータの多くはすでに追跡されていたものの、その多くは十分に活用されていませんでした。」

実現:データサイエンスによる適正規模化

JLLはコンサルティブなアプローチを持ち込み、データ収集や財務分析の所要時間を数週間から数分へと短縮させ、事業部門間でのリアルタイム戦略立案を実現しました。

JLLチームが最初に行ったことの1つは、選定したオフィスでのクライアントの出社データと、HR調査で従業員が回答した勤務スタイルの希望を比較することでした。これにより、特定の拠点や事業部ごとに何人の従業員が出社しているかをリアルに把握できました。さらに重要なのは、この分析が、今後のポートフォリオ全体で必要となるスペース量に関する重要な意思決定を支える高度な分析の基礎となったことです。

「この組織は、日別の平均出社率やピーク時の人数に注目していました」とJLLシニアビジネスアナリティクスコンサルタントであり、クライアント向けのカスタムダッシュボードのコードを書いたDiego Rodriguezは語ります。「ですが、最も目立つ指標が必ずしも最も役立つとは限りません。」

例えば:社内データによれば、米国のとあるオフィスビルでのピーク出社率は65%でした。単純にこの数字だけを見れば、現在のスペースを最大人数の勤務者に合わせて再構築すべきと考えるでしょう。JLLは、クライアントに異なる統計指標の検討を提案しました。

年間の出社率・稼働データをさらに深堀りすると、このオフィスが最大値を記録したのはごくわずかの回数であることが分かりました。JLLチームは別の変数も加え、全期間の90%において最高でも出社率は36%であることを発見しました。このような高度な分析は、データを受け入れ、変換し、不動産、事業部門、ポートフォリオ単位で洞察を引き出すことに焦点を当てています。

「まさに“気づき”の瞬間でした」とRodriguezは言います。「不動産の専門知識を持たない他のコンサルティング会社なら最大稼働率のみを追跡し、他を見落として、根本的に誤った助言をしていたかもしれません。」

その結果、企業は実際の需要に応じてその拠点のスペースを縮小し、全員参加の会議では共用スペースを作業場として使うなどの対応策も計画しました。

「より高度な科学的手法を取り入れ、情報内のパターンを探ることで、不動産市場の状況を活かしながら、将来のスペース需要を予測することができました」とJLLのビジネスアナリティクスコンサルティング責任者であるCharles Fegely(Financial Services, Work Dynamics)が述べています。

より良い未来への道:戦略的キャパシティプランニングによるコスト削減で将来の投資へつなげる

このデータ中心のアプローチは、この金融市場リーダーの保有ポートフォリオに大きなインパクトをもたらしました。

3年間で、JLLは同社のグローバル不動産に対し300以上の具体的なアクションを提案し、年間で1億2,000万ドルのコスト削減と200万平方フィート以上の縮小を実現しました。